理学部で働く

東北大学理学部 Oneのこと
私が昔働いていた場所

理学部で働く

私は6年半くらい東北大学の理学部の
研究室の秘書さんをしていました。
震災も体験したし、その後、
建物の改修で2回も研究室ごと引っ越しをしました。
研究室では英会話を主宰していたし、
ひとり事務だったのに、
毎年必ず1週間休みをもらっていたし、
かなり変わった秘書さんだったと思いますが、
皆さんに愛されて、仕事をすることができました。

 
生まれて初めて理系ばかりの人のところに行ったので
とても吃驚することもたくさんありました。
例えば、飲み会の割り勘を1円単位で計算する風習や
一緒にお茶会の買い出しに学生と行くと
足していくお菓子の合計金額を学生が空で言えたりするところや
問題を論理で解決しようとする傾向が
私がそれまでいた芸術の分野とは全く違ったので
とても勉強になりました。

 
何をするのにも、必ず理由がある世界でした。
それは窮屈でしたが、
それまでまったく理由のないランダムな世界に生きていた私にとっては、
初めて、「言葉で説明できる世界」に移ったので
目新しく、ちょっとは安心できる世界でした。

 
最後のほうは、朝、歩いて青葉山まで通勤していて、
とても健康に過ごせました。
仕事が始まる前の10~15分。汗を流しながら、
水を飲んで、ソファーに座って
朝日と緑を見ていた時間が懐かしいです。
(上司はその私の時間を尊重してくださいました)

 
今考えると、世間の常識や気持ちの側面から見ると
ちょっとどうかなと思う慣習や物事の決め方がありましたが、
初めての大企業。とても面白い職場体験だった思います。

 
ここで、私は研究室というものが
どういう生き物なのかということを学びました。
小さな企業みたいなものです。
そして、人と人の間で仕事をすること
人をまとめること、誰かをサポートすることを学びました。
学校に来られなかった学生さんにたくさん連絡して、
最終的には卒業し、就職することができたこともあるし、
上司との間で理不尽なことがあった時に、
初めてきちんと声を上げ、
きちんと受け止めてもらった場所でもありました。

 
ある組織の末端の人間として、
組織とも上手に付き合いながら、
その集団がベストパフォーマンスを残せるように
自分ができることをする。
それは、必ずしもすぐ結果に結びつかないけれども。
ということを学びました。
それは、給与や報酬には結びつかなかったかもしれませんが、
貴重な体験でした。
その経験が、今、私が個人として社会の中で機能するとき、
相手の立ち位置を想像することを可能にしています。

 
私はこれからも大企業で働くことは
もうないと思いますが、
それでも、学校法人とはいえ、大企業がどうやって
人を動かしたり、評価したり、お金を管理しているか
ということを実体験として学べたことは
とてもありがたかったです。

 
そうそう理学部には、
女性休憩室というものがあり、
当時よく具合が悪くなっていた私は、
よくそこを使って寝ていました。
便利だなぁと思います。

 
私がその研究室に残せたものは
なんなのか、今でもあまり判りませんが、
一番は、私の持っていた時間の感覚じゃないかなぁと思っています。
とても忙しい人たちが働く中で、
違う時間軸で、違うストレスと喜びの中で暮らしていた
私の時間の流れが、一番貴重だったのではないかなと
自分では思っています。
いつか、聞いてみたいと思います。

 
皆さんの今のお仕事の体験はどんなものですか?
今はベストな状態ではないかもしれませんが、
あなたの今の体験は必ず違う形で
あなたの将来に役立つものになります。
その場所で、無理をしないで精一杯自分の良さを発揮すること、
発揮して、それを上手に受け取ってもらう環境を作ること。
どんな職場にいても、とても大事なことだと私は思います。

 

皆さんの印象深い職場体験、
ぜひ、教室で聞かせて下さい。
 

東北大学理学部入り口

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