Kjempe bra 通信 20 穏やかな時間 Januar, 2021

Kjempe bra 通信20:英会話One Kjempe bra 通信 (ノルウェー便り)
Kjempe bra 通信20:英会話One

前回は帰国して2ヶ月後の生活をつづってもらいました。新しい仕事をはじめ、新しい生活を始める中、新しい価値観を作っています。さて今回は?

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新しい年になりました。おばあちゃんとの二人暮らしが本格的に始まり、新しい仕事を始め、考え事を進めています。

 

🐮今月のわくわく

・ただいま仙台
11月初旬に帰国後初めて仙台を訪れました。仙台にいるごく一部の人にしか知らせず、こっそり旅行を楽しんできました。懐かしい仙台の街並みや会う人々に心癒された時間でした。私はノルウェーでの一年間で自分の中が変化したように感じているので、変わらずそこにある存在を確認でき、懐かしく、これから自分が進んでいくのを応援されているような気持ちになりました。

・クリスマスカード
ノルウェーにいた頃、お世話になった人々にクリスマスカードを送りました。それぞれの嗜好に合わせて、カードを選び、言葉を紡ぐ作業。こういう時間がすごく好きで満たされます。

・新しい仕事
共生型の施設で働く一方、障害者用の乗馬施設で働き始めました。田舎で働いてみたかったことが第一の動機で、動物と関わる野外での仕事と云うことも惹かれた理由です。今まで馬と関わったことはほとんどなかったのですが、馬自体がとても愛らしく、賢く、敏感で、人との信頼関係を築いていく動物なのだと云うことを知りました。一頭一頭異なった性格、特徴があり、日を追うごとに愛おしくなっていきます。体を使う外作業を一日やるという経験もなかったのですが、これもなかなかいいもので、おかげでぐっすり眠れる日が最近多いです。管理者のJさんはアメリカ人で過去に日本で英語を教えていた経験もある大変朗らかな方です。乗馬施設の近くでふらっと寄ったコーヒー屋さんでも、イラストレーターさんやお花屋さんとお知り合いになれ、何気に選んだ地域でできた小さな縁が生活にいい刺激を与えてくれます。

・共生型施設にて
障害者と高齢者の共生型施設で働き始めて4ヶ月程経ち、利用者さん個人の特性がだんだんわかってきて、信頼関係が初期に比べればだいぶできてきた気がします。疲労ややるせない気持ちももちろんありますが、人間相互の関わり合いが生まれる場であることを実感でき、よかったなと云う気持ちや体験に繋がっています。

・もやもやを文章にしよう
はっきりした形はなくもやもやしているけれど、確かに自分の中にあるもの、考えや嗜好、感情を形にする作業をしようと試みています。写真や文章、絵や図…何でもいいのですが、とっつきやすそうなところから始めようと、好きなものについて思いを巡らせたことを文章に起こしてみることにしました。数多くある好きなものの中で、これと云うものを選び、どこにそんなに惹かれるのだろうということを改めて文章にしています。自分の中に断片的に散らばっているものがまとまって形になっていく過程は不思議な満足感があります。洗礼された文章ではないですが、読み手に伝わるようにと書く文章は考えごとを進めていく中での手助けにもなります。

・絵の具
絵を描くのは元々好きなのですが、おばあちゃんとの生活でふと、久しぶりに絵の具を使ってみたくなって、絵を描きました。幼少期の頃感じたお絵描きでワクワクした感覚が蘇ってくるような軽やかな時間です。

・一日5分の考えごと
考え事を進めようと意気込んだ時から「どんなに疲れていても一日5分はノートを開いて考え事を進める。」と云うルールを自分に課しています。頭がぼんやりしていてほとんど進まない日もありますが、少しずつでも毎日進めていける自分を褒めてあげます。

・2つの仕事を持つこと、時間をおいて関わること
週4で働き、そのうち週2は3時〜4時頃に帰宅しています。お金を稼ぎたいなら仕事の時間をもっと増やすこともできますが、今は余白の時間が必要だと実感するので、収入は少ないですがこの働き方をあえて選んでいます。また、並列して違うタイプの仕事をする事は、それぞれの仕事に対していい意味で距離を持って取り組むことができ、関わる人の幅が広がることで自分にいい影響があるなと感じます。

 

🐮今月の発見~ノルウェーの特徴、日本の特徴、自分の特徴~

・夕飯は何時?
労働時間が短いと言われているノルウェー。朝の出勤時間は1時間程度日本より早く、お昼休みが短めで7.5時間労働のため、自宅に4時頃帰って来ます。日本で云う夕飯は16~17時(一般的にノルウェーは一日4食。就寝前に軽食を取ります)。この早めに夕飯を食べるスタイルが自分に合っているのではないかとふと気づきました。実家では大体いつも夕飯を食べ始めていたのが19時半で、ひとり暮らしをしていた時も大体その時間でした。ここ2ヶ月程、おばあちゃんと一緒に夕飯を食べるようにしているので、5時半頃食べ始めます。夕食後ゆうっくりお風呂に入ってぼーっとする時間をとっても9時から自然とやってくる無音の時間(おばあちゃんは9時就寝)。夜も早く眠れるし、朝にお腹もちゃんと空くし、考え事の時間も取れるのでこの夕飯を早く食べるという生活スタイルが自分の心と体のバランスにちょうどいいのではと最近感じています。

 

🐮今月の困った

おばあちゃんと本格的に二人暮らしをするようになって2週間ほど経った頃、おばあちゃんに対して今まで抱いたことのないモヤモヤが現れ、内心動揺しました。実際一緒に住んでみて、私が思い描いているおばあちゃんとのギャップに戸惑ったようです。気持ちを書き出したり、具体的に何にモヤモヤしているのか整理し、おばあちゃんと対話して、生活の中の決め事を決めることでモヤモヤはすうっと解決しました。モヤモヤが芽生え始めてから消えるまでにだいたい10日くらいだったと思います。このスピードですんなり解決できたのはもともとの信頼関係があったからだと思います。今までなんの障害も起こったことのないおばあちゃんとの間にも一緒に生活すれば問題がでてくるのだと実感できたよい体験でした。

 

🐮今月のヘルプ

仕事から早く帰ってきて、まだ明るいうちに散歩したり、読み物を読んだりする時間。帰宅後、すぐ何かするのではなく、疲れているのを自覚して、温かい飲み物を飲んでゆっくりしたり、外の空気を吸ったり、ぼんやり景色を眺めたり…そう云う時間が自分の中と外のずれを調整するのに必要だと思います。自分を頑張らせて仕事の日もやりたいことを急かしてやることはできますが、それは長く続かないし、考え事を進めるにも余白のある生活がいいなあと現時点ではそう感じます。自分に聴きながら、現実の生活の維持とやりたい事を歩くようなペースでてくてく進めてきました。ここ最近、自分の中に別の何かがむくむくと芽生えているような感覚があり、この辺でまた違うことに取り組んでみようかなという気持ちが出てきたように思います。ただ具体的な何かが思いつくわけではないですし、とりあえず興味のあることはやってみると云う姿勢は変わらないですが、6ヶ月経った今次に向けて何かアドバイスがあれば教えていただけるとありがたいです。

 

🐮今月の答え

Risaさんお久しぶりです。今回もお便りありがとうございます。読みながら、とてもいいエネルギーを感じて、ついつい頑張りすぎていた自分の一日や仕事のやり方を見直しました。それくらい、この文章には力があります。自分が自分を楽しんで、しっかり気持ちを感じて、違和感がないように丁寧に関係も仕事もタイミングもリズムも創っていることが伝わります。それは、読んでいる人にも、おそらく今Risaさんに会っている人にも、とても大きな力を与えるのではないかなと思います。Risaさんが自分を楽しみ、心からしたいことを自分のペースで過ごしていることで、全く生活に無理がないので、周りの人は安心して接することができると思うのです。それは、この長いプロジェクトの中でRisaさんが得た、大きな宝物だと思います。Risaさんがここにたどりつけて本当に嬉しいです。このプログラムが目指す「自分らしい人生」を実現していると思うからです。

さて、今できるアドバイスですが、二つあります。ひとつは「軸を作る」ことを少し考えてみるといいと思います。たくさんのことに挑戦しつつ、自分の軸はどこかな、何かなということを考えながら、いろんな挑戦をしていくと、何に挑戦しても、戻っていくことができる場所ができます。そうすると、挑戦しやすいし、挑戦を選びやすいと思います。これはもう今の生活で、すでにできていることだと思います。場所としての軸は今住んでいるところだと思うのですが、同時に、心の中の軸もできてくるといいです。言葉を変えると「これは譲れない」とか、「この場所に戻れば、何が大事か自分が必ず判る」という状態や瞬間や場所や条件を確認してけるといいです。

もうひとつは、だんだん元気も力も出てきて、ぎゅっと集中してこれをある程度たくさんの時間も労力も人生も使ってやってみたいなということに、徐々に出会うと思います。最初からそれが判るわけではないと思うのですが、やってみたら「これが本当に私がやりたかったことだ、形だ!」というものに、いずれ出会うと思うのです。全部がパーフェクトな形で手に入るとは限らないので、そこからだんだん自分用に働く形や時間などを変えていく必要があるかもしれませんが、少なくとも以前よりはずっとたくさん働けるような状態に自分がなっていくと思います。それは働くことに限らないかもしれません。いずれにしても、そうなったとき、ぱっとそれをつかむ力があるといいなと思います。それには、余白と、自分の気持ちをきちんと感じられる状態を保っておくことが大事だと思います。

こんなに生き生きとした姿を私たちに伝えてくださってありがとうございます。かねてから、帰国してからが本番だと私は思ってこのプログラムをやっていますが、Risaさんの暮らしが本当にそうなってきていて、とても誇らしく思います。2年前に、一緒にRさんに連絡を取っていた時と、今の表情とでは全く違います。このことがRisaさんの人生を、そして、Risaさんと出会う周りの人の人生も豊かにしていくといいなと思います。では、次回は半年後にお会いしましょう。

uma

お昼をもぐもぐ食べるアンちゃん♡

koyo

紅葉に映える少林山

clane

クレーン車が好き

 

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この記録は、創造するワーホリ・留学という
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