インドのこと

インドのサリー:好きなもの 好きなもの
インドのサリー:好きなもの

インドのこと

私は、ヨーロッパやアメリカカナダには
とてもたくさん行っていますが、
アジアに行ったことがあるのは一回だけです。

14歳の時、1週間インドに行きました。
道端に牛が歩いているし、
子供たちがお金を求めて
どこに行っても追い掛け回されるし、
病気の人も怪我している人も
挙句は死にそうな人まで
見えるところにいます。
その全部がショックで
1週間ヨーグルトしか食べられませんでした。
(とってもおいしかったです)

タージマハールも行ったし、
サリーも作ってもらったし、
なんとかシャワーが出る部屋に泊まっていたし、
とても恵まれた環境だったとは思うのですが、
私にはびっくりすることばかりでした。

大体人がそうやって病気になるとか、
死にそうだとか、人からお金をもらうような環境で
生きているということを知らなかったので、
それだけでも、大ショックだったのです。

その上、インドには、何かを超越したような
哲学や考え方が空気の中に入っていました。
毎日、その空気を吸っていることで
私は罪悪感や生きていることそのものへの問いを
毎日感じ続けました。

匂いや汗や湿度や気温の中に
根付くこれらの教えは、
これまで見たことのない世界を私に見せていました。

先日、アフリカから来ている人と友達になりました。
初めてのアフリカの友人です。
彼女に会って、帰ってから、
彼女の国のことを調べているうちに
年間のGDIが480ドル(5万円程度)だということに
気が付きました。

はっとして、目を疑って、
それから、自分に腹が立ちました。
知らなかったこと、知らずに彼女と接していたこと、
そのことに対する理不尽さの行き所を失いました。

そして、これまでの私の情報を統合したところ、
どうやら世界にはこういう水準で生活している国が
80%くらいあるということを学びました。

つまり、私が見てきたアメリカや
ノルウェーやイギリスや日本は、
残りの20%に過ぎなかったのです。

愕然としました。

だからと言って、私の生活が今すぐ変わるかというと
そうではないのですが、
知っていると知らないとでは、全く違うことがあります。
今、私はこのことをこの数字が意味することを
よりリアルに思い描けます。

文化に優劣はないし、国にも優劣はありません。
ただ、私には、あのインドのガンジス川に入っていく勇気も
生態系も、暮らしも、サバイバル精神も持っていないし、
今では、民泊に泊まれる自信もありません。
これらの大きな体験を前に私は大変小さく、無力です。

それでも、インドに行ってよかったな。
14歳の時、ヨーロッパとアメリカだけではなく
インドを見せてくれてよかったなと思います。

世界の80%の人が営んでいる暮らしが
どんなものなのか、想像するきっかけが私には
少なくともあるからです。
その暮らしがとても豊かなことも知っているからです。

それを知っていても、私が日々やることは、
そんなに変わらないです。
それでも、想像することはできます。
そういう世界で暮らしている人たちの豊かさ、希望、願いを。
そういう世界から来た人たちが日本で暮らしているとき、
感じるだろう気持ちをちょっとだけ。

日本は世界中から理想の国だといわれるそうです。
それは例えば、私たちが
アメリカやヨーロッパを夢の国と思うのと一緒だと思います。
よく働き、協力し合い、平和で、生産性が高く…
という代名詞が並ぶそうです。

実際に住んでいる私たちは、
そのありがたみを感じることがあまりありません。
でも、そんな風に形容された日本のことを
例えば、その80%の世界から見たら、
きっと違うと思います。

いつか、私が私と私の周りの友人と
生徒さんとお仕事で関わっている人以上の
誰かについて何か思ったり、
実行したりする余裕が出てきたら、
私にとっても楽しく、彼らにとっても楽しい形で、
何かをできたらいいなと思います。

あなたのびっくり体験はどんなものですか?
アジアに行って、アフリカに行って、中東に行って、
楽しかったというお客様にたくさんお会いします。
私とは違う体験をされてきたと思います。
ぜひ、教室教えてください。楽しみにしています。

14歳でインドに行ったとき作ったサリー

14歳でインドに行ったとき作ったサリー

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