ボストンつれづれ通信 04号 January, 2019

ボストンつれづれ通信 by エリ
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・今月のわくわく

〈小さな町を歩いて〉

ボストンも日に日に寒さが厳しくなってきました。池や、川の岸辺は凍りつき、陽が照っても融けることはありません。しかし冬本番は2月から3月にかけてとのことで、これから深い雪に包まれる日々が訪れるそうです。そう聞くと、動き回れるうちに歩いておこう!と気持ちも急いてきます。ボストンやケンブリッジの中心街や、観光で知られた郊外の土地ではなく、ちょっと先の、なんだか気になる小さな町へ出かけたくなりました。木枯らし吹くなかを歩き回り、ときにバスに揺られ、ときに電車を乗り継ぎ、いくつかの美しい、心惹かれる町に出会いました。そのなかで、恋した町のひとつが「Lexington(レキシントン)」です。ケンブリッジから車で西に30分ほどの場所に位置する、森に囲まれた閑静な町です。中心地の商店街は端から端まで10分も歩けば網羅できそうなコンパクトサイズで、並ぶお店は、本屋、薬屋、食堂、不動産、家具屋…とひとつひとつが地元密着といった雰囲気(小さなスターバックスもあるけれど)。商店街が途切れた場所には、石造りの美しい公共図書館があり、レキシントンの文化的営みの拠点になっているようです。村上春樹の作品に「レキシントンの幽霊」という短編集がありましたね。随分むかしに読んだきりですが、レキシントンという町は実に不思議な空気が漂っているように感じます。黄昏時には、時間軸がゆるっとぶれて、そこかしこに幻影が踊っているんじゃないかしら。アメリカの歴史的にも重要な土地ということで、様々な視点から、もっと触れていきたいと思っています。

・今月のこまった

〈電話が苦手〉

突然の電話にあたふた。受けるのも、かけるのも、まだまだドキドキで、できるだけ回避したいという気持ちでいます。けれど、メールで済まないことはたくさんあります。逃げている自分に喝を入れて、最近は積極的に電話連絡にトライ。ただし、聞き間違い、言い間違いがあってはいけないので、自分からかける場合は、原稿を書いて、発音練習をして(役者になった気分)、最後の確認も忘れずにと、ストーリーを描いてからコールしています。でも、やっぱり早口で案内音声が流れると「およよ」とはなります。何よりも、電話だけではなく、日常的な会話でも、声が小さいのがいけないみたい。はっきり大きな声で元気よく。小学校の時に先生に教わったみたいに、快活に話すことを意識してトレーニングしています。

・今月のびっくり

〈アパートの助け合い?〉

私が住んでいるのは外国人も多く暮らす、比較的新しい、大きなアパートメントです。管理システムがしっかりしていて、日曜以外は、コンシェルジュと呼んでいる管理スタッフが2名、朝から夕方まで常駐しています。住人へのメール連絡も細やかで、そのなかには例えば、「引っ越しするのでキッチン用品を譲るよ。今度の土曜に〇号室に見に来て」とか、「子犬を飼ったのだけど元気すぎて散歩が大変。誰か散歩してくれないかな」とか、「息子がサルのぬいぐるみをどこかでなくしてしまったんだ。大事な友だちだから、どうか見つけた人は連絡して」といった、見ず知らずの住人たちの体温が感じられるようなメールも届きます。力になりたいな、と思うお願いメールにもたくさん出会います。トラブルになるかもしれない、と安全なところから見ているのも一時的な滞在者としての、ひとつの姿勢かもしれないけれど、私はいつの日か、すこしでも力になれたらいいな、と願いながら、様々な営みからうまれるメール連絡を開いています。

・今月のヘルプ

たださんにいただいた言葉を胸に、心が向かう場所、活動に、臆せず自らを置いてみようと思いました。そこで、ボストンにあるアートセンターのボランティアに入りました!最初のお仕事は、お客さんを会場や席に案内する役目です。2月から5月まで何度か活動があります。できれば、そこで人との出会いがあればと願っています。たださんに質問です。たださんが外国で暮らしていたときに、何かによって導かれた出会いはありますか。それは学びの場かもしれないし、生活の延長かもしれないし、趣味かもしれないし。出会いの対象も人との出会い、物ごととの出会いと色々あるかなと思うのですが。ぜひ、物語を聞かせてください。

 

・今月の答え

レキシントンの幽霊、私もとても面白く読みました。村上春樹作品の中でもとても印象深いものです。その場所のエリさんの描写がとても素敵です。そんな場所だったんですね。文章を通して再度知るのはとても面白いことです。ありがとうございます。


そして、電話ができるようになったとのこと。おめでとうございます。それはものすごい進歩です。顔が見えないからとても大変なはずです。英語とっても頑張っていますね。その調子で、失敗をたくさんしながら、成長していってください。失敗は成功の元です。特に語学は本当にそうなのです。


メールで少しお伝えしましたが、海外生活にはアップダウンがあります。3カ月目は大体誰でも沈みます。これから、少しずつ上がっていって、帰国前にまた沈みます。こちらに表があるので、英語ですが、図表を見てみてください。参考になると思います。これはもともとAFSという私が高校の時留学していた団体が長年の経験を集めて資料にしているものの一部です。http://ur0.work/PDbC

 


さて、ご質問の答えですが、出会い、たくさんあります。こうやって、エリさんと英会話を通して出会うことも出会いです。生徒の皆さんと出会うことも貴重な出会いです。私はここ3年くらいかけて、20年以上前に行った、アメリカとノルウェーにそれぞれ帰ったのですが、それはものすごく面白い経験でした。特に14歳で行ったアメリカの20数年後の友達はみんな今の私と変わらない、地味でまじめで、愉快な人々にあふれていて、「うわぁ、私は基本的に14歳から全然変わってないんだ」ということを再認識するのに、とても役立ちました。彼らは、クラスで一番もてたり、プロムクイーンになったりする人たちではないのですが、今の私と同じで、まじめにこつこつ地味だけど楽しい生活を家族と過ごすことを大事にしている人たちでした。そういう友達を持てたことをとても誇りに思いました。


そして、2、30代のころは、事務仕事の周りの人にしか会わなかったから、自分が面白いと思う人に会うためには、アメリカやノルウェーまで行かなくてはならないんだと思っていました。しかし、その生活を今の英会話に変えてからは、ものすごく近く、半径5㎞以内にアメリカに劣るとも勝らない面白い人たちと場所を発見することができるようになりました。それはお客様や、一緒に何かやったりする人たちも含まれます。その中には、近所のお花屋さんも含まれるので、単に私の視野がとても狭かったのだということもあとからわかりました。


今月の通信を読んでいて、一番面白かったのは、アパートの人たちからくるメールです。確かに、トラブルは怖いと思うのですが、この人たちはエリさんのすぐそばにいる人たちです。子犬の散歩に行って、最悪なのは、子犬がいなくなることですが、それはめったに起きないでしょう。それがむつかしかったら、さよならセールに行ってみることはもっと簡単です。彼らはそんなに怖い人たちではないし、さらに、エリさんたちにはコンシェルジェがついています。本当に困ったら、仲裁を頼めばいいのです。そんな身近にも、様々な出会いは待っているように私には見えます。ご近所づきあいってなかなか面白いですよ。つかず離れず。


そして、ボランティアおめでとうございます。是非、活躍してください。きっと、日本では得られない面白い経験をすることができると思いますよ。ちょうど、今ウィスコンシンに行っている白井青子さんも、ボランティアをしています。役割ができると人は尊厳を得ます。尊いものと私は思います。http://nagaya.tatsuru.com/seiko/2018/12/31/post-16/

 


さて、わくわくな滞在ですが、来月は何が起こるでしょうか。私も楽しみにしています。また来月お会いしましょう。

★画像キャプションボストンには魅力的なアートスポットがいくつかあります。イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館は地元の方にも人気で、中庭を有する館は、季節や時間帯によって表情を変える、とても魅惑的な空間です。

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