Kjempe bra 通信 22−1 私の形 Juli, 2022

バナナの木に大興奮のおばあちゃん Kjempe bra 通信 (ノルウェー便り)
バナナの木に大興奮のおばあちゃん 22-1
20208月に、1年のワーホリノルウェー滞在から帰国したRisaさん。群馬のちいさな街におばあちゃんと一緒に住みながら、これからの人生について一緒に考えてきました。2年目の報告です。前回はこちら。全体の目次はこちら

 

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ノルウェーの帰国から2年経ち、生活に四季のあるおばあちゃんの暮らしもぐるっと一年が経ちました。うなされていた頃から見れば車の運転にもずいぶん慣れ、仕事、生活のパターンが安定してきました。去年の秋には帰国報告会を行い、体験してきたことを他人がわかる様に一部形にすることもしました。最近の考え事は仕事と家族についてです。

 

🧚今月のわくわく

・学童保育
学童保育の支援員として働き始めて1年ちょっと経ち、ただ子供達がかわいい、一緒に遊んでいて楽しいというものから視野が広がってきました。子供単体からそこを取り巻く保護者、支援員、学校などの環境等が抱えている問題に出会うようになりました。自然なことですが、子ども自身に問題がある場合、その周りにも問題があります。どうしたらいいのかな、自分には何ができるかなと考える中で、これは家族、子供のことを本当に考えているのか?自分の評価を気にしていないか?と自分にベクトルが向く時もあります。考えることがたくさんある仕事は楽しいです。

・ノルウェーとの繋がり
ノルウェーでできた友人Eと今でも月に1〜2回程TV電話をしています。時間は30分だったり、1時間以上したりその日によって違います。「今日は疲れているから電話できない。また来週!良い週末を!」的な感じで、割り切ってしないときは無理にしないです。こんなふうにお互いにストレスのないようしているので今でも続いているのだと思います。ノルウェーに触れる機会は随分減りましたが、今でも繋がりがあるのは本当に素晴らしいことです。

・ワクチンバイト
去年勤めていた施設の急な閉所で、短期的にお金を稼ぐために3ヶ月程ワクチンセンターで看護師バイトをしました。世界的な変化をもたらしたコロナ。流れ作業のバイトと言えど、コロナに関する医療者側としての知識の提供や人々の不安を感じることのできる仕事でした。仕事の窓を通してもこの大変化を見ることができるいい経験でした。

・児童発達支援、放課後デイ
ワクチンバイトで知り合った看護師Sさんから事業所を紹介され、そこで看護師として働くことになりました。医療的ケアが必要な障害を持った子供を対象にした療育施設で、音楽療法も行っています。子供に対する職員の数も多く、子供とマンツーマンで時間をとって関わることのできる職場は初めてです。帰国してここ2年、興味のある仕事を経験しながら、長めに働く場所を探していたところ、ここの職場を紹介されました。私は仕事を選ぶときにいくつか大切にしているポイント(仕事と私生活のバランス、自分の特性、その仕事が社会をよくすることに働いているかなど…)があります。ここで働き始めて8ヶ月ほど経ちましたが、このポイントを7〜8割満たしているなと感じます。

・外的刺激
コロナ禍で対面の集まりが自粛され、オンラインセミナーが増えました。場所の制約なく、手軽に興味のあるイベントに参加できるようになったのは、ある意味コロナの恩恵だと私は思っています。月1で興味のあるセミナーに参加したり、博物館や美術館に行ったり、バレエの公演を見たり、外からの刺激を入れています。これくらいの頻度で自分でできない刺激を入れるのは、吸収に丁度良いようで、毎回素敵な発見や感動があります。

・日本語支援ボランティア
去年の冬から外国にルーツを持つ子供たちへの学習ボランティアを月1で始めました。私の住む市は外国ルーツの方々が割合多く、市内に住む小中学生を対象にボランティアを行なっています。宿題を一緒にしたり、分からない日本語を一緒に調べたり等の日本語支援を行います。ポルトガル語、スペイン語の需要が割合多く、日本語、母語の成熟度はその子によって様々です。単純に子供たちとのやりとりが楽しく、言葉が通じないという体験が生かされているのではと思います。

・同級生家族
帰国してすぐの一年より、自分に余裕ができたのもあり、学生時代の友人、その家族と会う回数が増えました。子供だった頃の友達が家族を作り、その和と関わるのは感慨深いです。一緒にご飯を食べたり、お出かけしたり、穏やかで、楽しくて充電される時間です。

・馬と猫の表情がわかる
乗馬施設での仕事も週に1回3時間ですが細々と続けています。人里離れた場所で馬と触れ合うのは仕事というよりは私にとってはセラピーです。犬は昔実家で飼っていたで、犬の表情はわかるのですが、それ以外の動物の表情がよくわかりませんでした。最近そこいる馬や猫の表情がわかる様になりました。顔の作りに見慣れていないと表情がわかりにくい、というのは人間にも共通するのではと思います。ノルウェーに行った当初も、日本人以外の顔を見慣れていないせいか、最初は表情がわかりにくかったです。表情がわかると何を考えているかなんとなくわかるので、コミュニケーションがとりやすくなった様に思います。そのおかげか最近馬や猫と仲良しになってきました。

・趣味以上仕事未満
まだ寒かった頃、気になっていたよもぎ蒸しを体験しました。よもぎ蒸しは韓国発祥で、女性の冷えの改善に良いとされています。全身いい香りに包まれてポカポカになる極楽体験に感動しました。その後月1くらいのペースで通っています。そこのオーナーEさんは朗らかな方で、話の端から私のイラストを気に入ってくださり、お店で使ってくれるとお話をいただきました。Eさんに頼まれたその日の夜になっても心がわくわくしていました。好きで描いていた絵が例え100円でも200円でもお金になるというのは私にとって大きな意味のあることです。ご機嫌で余裕のある時に描くと可愛い絵がかけるので、今ちょこちょこ書き進めています。

 

🧚今月の発見〜ノルウェーの特徴、日本の特徴、自分の特徴〜

正直、ノルウェーはこうだったなと違和感を感じる場面が随分と少なくなりました。よくも悪くも今身を置いている環境に順応しているのだなと感じます。

・子供への情報提供
児童発達支援、放課後デイの看護師として、学童の支援員として働いていることもあり、日々の仕事や勉強会の機会に子供について考えることが多くあります。最近思うのは、ノルウェーとの比較ですが、子供への情報提供がとても慎重だなという印象です。この情報提供というのは大人から子供に直接言って伝えたり、メディアなどからのものです。ノルウェーは虐待、選挙、障害や病気(ダウン症、1型糖尿病など先天的な病気、様々な障害など)、性のこと(生理などの発達に関わるものやセックスのことなど)など子供向けの書籍や番組が日本より充実していることや、大人が子供に対して聞かれたら隠さない様にしている印象がありました。それはノルウェーが情報の公明性や平等を重んじているというところも関係していると思います。

日本で生活していて、子供と関わっていて、子供への情報提供をもっとしてもいいのではないかなと感じることがあります。子供を守ろうと?悪いものを隠そうと?しているのか。子供が理解するのが難しいと思っているのか?子供が言っていることを聴いていると時々物事の核心をついたことを言っていてドキッとする時があります。見抜かれていると感じるし、変に遠ざけようとすることで、子供の成長や人との信頼関係に影響が出るのでは感じます。子供が発信する聞かれたことや気になっていること、困っていることには誠実に対応しようと日々心がけています。つづきます。

バナナの木に大興奮のおばあちゃん

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あんちゃんの背中でくつろぐシルちゃん

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