ボストンつれづれ通信 06号 March, 2019 (最終回)

ボストンつれづれ通信6:英会話One ボストンつれづれ通信 by エリ
ボストンつれづれ通信6:英会話One

・今月のわくわく

〈「言葉よりも」と「言葉があるから」〉

ボストンでの日々を彩ってくれているのはやはり、人との出会いです。縁を感じるほどの出会いもあれば、日々の流れのなかで駆け抜けていく出会いもあります。そのどれもが、かけがえのないものに思えます。

様々な故郷、背景を持つ人々と絶えず接するなかで、年齢や肩書きは、日本にいたとき以上にどうでもよくなってきます。いま目の前にいる相手をそのまま感じとる、とてもシンプルなコミュニケーションになっています。

言葉に頼りきれない状況だからこそ、「伝えたい、そのために」自分のすべてで言葉を探し手繰り寄せようとする。言葉を見つける作業のなかで、「どうして伝えなくてはいけないのか?」という問いかけも、自身にダイレクトに響いてきます。

言葉の巧みさより、その人そのものなんだ。言葉を知って、使って、探して、見つけての繰り返しのなかで、いかに信じる自分に誠実にいられるのか、というあたりまえなのかもしれないけど、手放しそうになっていた思いに、自然に立ち返る経験がアメリカでの日々にありました。

「言葉よりも」、そして「言葉があるから」。

言葉とともにある私たち。ちょっと厄介だけれども、なんて面白い世界なのだろう。英語という新しい世界に触れるなかで、たくさんの教えや気づきを受け取りました。そして、これからも言葉と自然に寄り添って歩いていけるように、ちゃんと自分を鍛えていきたいと思います。

 

・今月のこまった

〈大雪の空港で「You did best!」〉
大事な用事があり、日本へ一時帰国することに。今期のボストンは穏やかな冬で安堵していたのに、帰国の日はこの冬いちばんの大雪に!早朝の白い世界をボストン空港へ向かうと、ロビーには人があふれている。聞けば、朝5時台から欠航続きで待ちぼうけだそう。案の定、私の搭乗予定の便も1時間、2時間と、どんどん出発時間が遅れていきます。

これでは乗り換え便に間に合わない!と焦る私。けれど、周りのみなさんは「トホホ」な状況であるのに、あちこちでもう笑い話にしているし、のんびりとコーヒーを飲んだりしている。そんな「ケ・セラ・セラ」な様子に、私の力みも消え、みなさんに習って「Dunkin’ Donuts(ダンキンドーナツ)」のコーヒーで一息。

さて、搭乗窓口に向かい、チケットを取っていたデルタ航空のスタッフと交渉を始めます。「予定の便は間に合わないから、ミネアポリスで9時間待機して、ロスに移動し5時間のトランジット後に羽田」という提案が。「それは私には大冒険!最終手段でしょうか?」などと返すと、「うむ」と再び電話で交渉をはじめてくれて15分。ボストンから同日に飛ぶ日本航空の成田直通便を手配してくれたのでした。

窓口の方が事を進めてくれた電話の向こうのスタッフに、3度ほど「You did best」と言葉を送ります。私も感動をもって、何度も心の中で繰り返しました。大冒険も嫌ではないけれど、本当に、すばらしいお仕事をありがとう。

・今月のびっくり

〈願いのふしぎ〉
日本に一時帰国する前日。私は中国からボストンに長期滞在しているという2人の紳士に出会いました。一人は流暢な英語を話し、もう一人は英語より日本語のほうが話せるという方。いつもは図書館で会っても通り過ぎるだけだったのに、その日は不思議と互いに「話さなくちゃ」という雰囲気になって、英語、中国語、日本語を交わして、長い時間、様々な話をしました。

次はいつ会える?と心から聞き合える人との出会いは、たからものみたいに嬉しいものです。

「またボストンに帰ってくるよ!」「日本に帰省するよ!」等々。告げたい相手がいてくれることは、山あり谷ありの道のりと、その道中でありがたい出会いがあったからこそ(なんだか水戸黄門の歌みたいですね)。図書館でのこの出会いも、私にはサプライズであり、流れ星に祈るみたいに、どこかで願っていた世界につながっている出来事でした。

 

・今月のヘルプ

おやすみします。

・今月の答え

エリさん、こんにちは。今月も通信をありがとございました。

たくさんの新しい出会いと言葉との出会いがあって、人生がより豊かになっていく様子がよくわかります。日本での価値観だけが常識ではないので、肩書のない世界で等身大に渡り合える実力をたくさんつけてくるといいと思います。仙台での日常もまた変わるのではないかなと思います。

そして、ここは英会話教室のブログなので、ひとつ訂正しておくと、空港で言われた、また言っていたのは、”You did your best”もしくは“You did the best”だと思いますよ。英語の勉強は2年いるとさすがに大分身に付きますが、終わりはないです。話したいことが話せるようになるまでは、それなりの道のりがかかります。そして、それは日本でも実行可能です。是非実行してみてください。

そして、6か月間ブログをありがとうございました。続けて、どこかでご自身で連載されるようでしたら、コメント欄にリンクを張ってください。ファンの方もいらっしゃると思います。またご自身のためにも、記録をとっておくことをお勧めします。また、英会話Oneのサービスを使いたくなったら、お知らせください。実り豊かなボストン生活が続くことを心よりお祈りしています。

〈みんなの心にある大切な風景“Charles River”〉 ボストンとケンブリッジを繋げるように悠々と流れるチャールズ河。いつも明るい光景を見せてくれて、ひとりひとりの毎日を優しく照らしてくれるような存在に思えます。これからも、こうして穏やかに流れていく時が続きますように。

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