ボストンつれづれ通信 05号 February, 2019

ボストンつれづれ通信5:英会話One 海外だより
ボストンつれづれ通信5:英会話One

・今月のわくわく

〈寒い季節のおたのしみ〉

もっとも寒さが厳しいと聞いていた2月が到来。シカゴの大寒波のニュースは日本にも届いたようですね。ボストンはというと、思いのほか今季は穏やかな天候が続いていて、体感的には仙台とさほど変わりはない気がします。しかし、冷凍庫のなかにいるような日も2度ほど体験しました。「freezing day」の光景。町ゆく人みなフードをかぶり、ときには目と口の部分だけ空いたマスクをかぶったプロレスラーもどきの人も見かけます。様々な国からやってきた人々の冬。ボストンに来て生まれて初めて雪を見たという話もたくさん聞きました。ロシア出身の友人に「こっちの冬はどう?」と聞いたら、「僕でも寒いものは寒いよ」と。春が待ち遠しいのはみな同じかな。

しかし、凍てつく季節のお楽しみもあります。シカゴの大寒波の影響もあり、マイナス17度まで気温が下がった週末。そこかしこの池や湖は天然のスケートリンクに。待っていました!とばかりに、地元っ子らしき人々が、スケートにアイスホッケー、氷上の散歩などを楽しんでいました。私も近所の「Spy Pond(といっても湖なみの広さ)」に出かけ、恐る恐る我が足を氷の上に。東北で育った私の得意のペンギン歩きで、1時間ほど散歩を楽しみました。普段は岸から眺めるのみの景色をまるで水鳥になった気分であちこちから眺めることもできました。次第に夕焼けが氷上を染め始め、楽し気な人々の声があちこちからこだまして聞こえてきて、永遠のような一瞬を感じました。

冷凍庫のなかのような町に住んでいるからこそ出会えた、幻想的な美しさのプレゼント。

春を待ちながらも、いま、この季節にしっかり触れていこうと思わせてくれる、ごほうびなのでした。

 

・今月のこまった

〈地元のお店を使おう!〉

日本にいた時、暮らす場所でも、ふと訪れた町でも、地元の個人商店で買い物することがとても好きでした。例えば、お水1本でも、アイスクリームでも、その土地に根づいた個人のお店に入って探す、買う。何気ないけれど、私にはちょっとした冒険に感じられて、また一期一会とご縁をダイレクトに感じられ、歓びのある習慣でした。

ボストン、ケンブリッジ、郊外の小さな町にも、日本のように個人商店が連なる商店街があります。おそらくお客さんがたくさんやってくるわけではないけれど、地元の人々にここぞというときに役立っているのだろうなと感じながら、その場に身を置いていると、次第にそれぞれのお店にある小さな工夫なんかが見えてきて、面白いです。

印象に残った経験のひとつ。ハーバード大学の向かいにある革製品の修理屋の前を通りかかったら、探していた靴磨き用のクリームをウィンドウ越しに見つけました。すぐさまお店に入ってクリームを手にレジに向かうと、イタリア人らしき店主さんが「ノープラスチック」と言うのです。つまり、クレジットカードは受け取らないよ、という意味でしょう。心の中で、「映画みたいだ、かっこいい!」と思いました。また、昨日はレキシントンの文房具屋でノートを買いました。ちょっと悔しい経験で、ご近所さんらしきお客さんと店主のおじさんの盛り上がっている会話を聞いて、私もレジでスモールトークできたらなあと思いながら、「プリーズ、イエス、センキュー、ユートゥー」のみで済ませてしまいました。さて、「今月のこまった」ですが、私の歓びの買い物に不可欠であろうものを忘れないこと。現金と、挨拶。

現金がなくてこまったことはないのですが、挨拶ができないロボットみたいなお客さんに徹してしまい、悔しくて切ないことは何度かありました。

お店を出た時に、世界が前よりちょっと輝いているような、そんなお買い物をできるよう、この「こまった」は乗り越えたいなと思います。

 

・今月のびっくり

〈心のままに楽しむ〉

先日、大好きな美術館で初めてボランティアに参加しました。学芸員さんとペアになって、シアターでお客さんを案内する役目です。私の英語がままならないこともあり、また学芸員さんが観客とコミュニケーションを図るためにも、英語でのやりとりは最小限の時間でしたが、学び多き経験になりました(学芸員さんとのやりとりが刺激的で楽しかった!)。

役目もひと段落して、後半は私も観客として鑑賞。イベントは短編映画の上映会で、ブラックユーモアを感じる作品がいくつかありました。広報で、観客として子どもは対象にしていない、と強調していたのに納得。とんがった作品群にもびっくりしましたが、観客の反応にもびっくり。もう、自分がぐっときたら素直に反応して表現するという感じです。笑いたいように笑う、流れている曲が懐かしくなって歌ったり、口笛を吹いてみたり。以前から、日本との鑑賞の雰囲気の違いを聞いてはいましたが、ダイレクトに感じられて、びっくりと同時に胸に迫るものもありました。周りに邪魔にならないようは配慮しつつも、作品の世界観にしっかりコミットして楽しみつくそうという雰囲気が会場に充ちていて、それは私にとっても大変心地のよい時間でした。

日本では息をひそめる場面が多すぎる気がしました。私も必要以上に縮こまっている時間がたくさんあります。苦しいな、と感じていても、それは悩みになっていくだけで解放できなかったり。けれど、こうした何気ないような経験が、大きな鍵を与えてくれることもあるのかも。もっと、素敵な「びっくり」に出会っていきたいと願います。

・今月のヘルプ

3月から1か月ほど日本・宮城に帰国します。英語学習については、停滞しないように毎日に組み込みたいと思っていますが、英語学習のほか、日常生活のことも含めて、帰国の機会に留意すること、またはやっておいたほうがよいおススメのことなど、ぜひ教えてください!

 

・今月の答え

 

 

エリさん、こんにちは。

今月も原稿ありがとうございます。目に見えるように、原稿が生き生きしてきています。きっとアメリカが肌に合うんでしょうね。持前の繊細な感性がフルに生かされてきて、自由に地元の生活を楽しもうという空気が伝わってきて、とても嬉しいです。

 

地元の個人商店での買い物が楽しくなるのは、素敵なゴールですね。それは半年後にはできるのでは?そして、そうですよね。私は今その喜びに満ちたお休みを満喫しています。いつも行くお店で、同じように、お花を買ったり、野菜を買ったりします。世間話もします。そのつながりは弱いですが、貴重なものです。そういう小さい会話が意外と日常を支えていたりするものです。できるようになりますように。そうそう、こないだ買ったこれがおいしかったよとか、よかったよとか伝えると、会話の糸口になります。こんにちは、と挨拶してから入るのもいいですよ。

 

ボランティア進んでますね。たくさん学ぶことがあって、きらきら輝いています。そういう刺激を自分にちょうどいいだけ、もっともっと体験できるといいですね。

 

さて、日本滞在中にすることですが、まず、保険証を移して、病院に行きましょう。定期健診。そして、歯医者さんで検診も受けておくといいです。悪い歯があったら、1ヶ月で治してくださいと頼みましょう。

 

それから、毎日1時間くらいは英語の何かを聞きましょう。私は今でも英会話のほかに、週に20時間くらい英語を見たり、聞いたり、読んだりしています。それはもう、まったく趣味の領域なのですが、ながらできいているこの英語は割と大きく語彙を増やすのも、発音をよくするのにも、文化を勉強するのにも、役だっています。一日の中にそういう時間を組み込むといいです。夜テレビを見る時間を英語のドラマを見る時間に私はしています。最初は負荷が高いですが、そのうち、まぁ、そんなものだ、楽しいと思えるようになります。

 

そして、SNSなどで英語のアウトプットをすると、いいです。ツイッターはちょっとむつかしいかもしれませんが簡単なところでフェイスブックなどで写真付きの日本の情報を英語で載せるというのも、ボストンに帰ってから役に立ちます。仙台にはとても安く英語の会話クラブをしているところもあります。もちろん、Oneに来てもらって、英語力を保持しながら、滞在のヒントをおつたえすることもできます。楽しい5か月間でした。私もお会いしたいですよ。

 

そして、アメリカのキンドルにない、日本語の本を欲しいだけ買って、送るといいです。そして、すきなだけ、日本食を食べて、また、乾物などを送っておくといいでしょう。そして、友達に会って、近況を伝えましょう。

 

どんどんエリさんが成長する様子が伝わってきてとても面白いです。ありがとうございます。また来月お会いしましょう!

〈Frozen Pond〉 地元のみなさんは度胸もあるのでしょう。どしどしばんばんと、氷上で動き回っています。楽し気な声が耳に残ります。夕暮れの光景、とても美しかったです。

 

 

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